液体クロマトグラフィー/質量分析及び液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法による残留農薬分析
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概要
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水溶性が高く,揮発性に乏しく,熱に不安定な農薬はガスクロマトグラフィー(GC)やガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)で測定できないものが多い.そのような農薬のうち,ピレスロイド系農薬,イミノクタジン系農薬,ネオニコチノイド系農薬について,液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)や液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析(LC/MS/MS)を用いた分析法を確立した.すなわち,ピレスロイド系農薬のトラロメトリンについては,GC測定では分解物であるデルタメトリンとして定量していたが,LC/MSを用いることで両者を個別に定量することが可能である.また,試料マトリックスに吸着しやすいイミノクタジン系農薬については,誘導体化することなくLC/MSで分析することが出来る.更に,ネオニコチノイド系農薬であるニテンピラムの代謝物も誘導体化してGCで測定していたが,LC/MS/MSを用いることで代謝物を含む10化合物を一斉分析可能となった.これらの新しい分析法を紹介するとともに,更に,分析法の構築にとって重要な要因である抽出効率に及ぼす添加剤の効果についても解説する.
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