透析用監視装置および透析情報管理システムでの透析業務の省力化と効率化ならびに透析医療経済への効果
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概要
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〔背景〕保険診療報酬改定のたびに透析医療経済環境は厳しくなってきた.しかし医療機関は透析医療の質を維持する責務がある.そのため透析業務の省力化および効率化が求められ,透析支援システムや全自動透析システムが必要となってきた.〔対象と方法〕ニプロ社製透析用監視装置(NCV-1i)と透析情報管理システム(DiaCom2006)を用い1クール(78床同時血液透析)を対象に透析業務の省力化ならびに効率化,さらに人員削減効果にてもたらされる経済効果について検討した.〔結果〕(1)前日の記録紙の準備が不要になった.(2)生理食塩液による約10分の自動プライミングにて大幅な労力と時間が削減された.(3)体重測定後の除水計算や装置入力が不要になり透析治療開始までの時間が短縮され,ヒューマンエラーも激減した.(4)生理食塩液を用いた完全自動返血機能により返血に要する労力が大幅に削減され,患者待ち時間がなくなりスタッフに精神的・時間的“ゆとり”ができた.(5)1クールのスタッフ数が10名削減され,人件費削減額は1クールあたり年間に約1,660万円であり,3クール体制では約5,000万円であった.〔結論〕NCV-1iおよびDiaCom2006を用いた透析支援システムは透析業務の省力化・効率化に著しく有用であり,かつ利便性があった.さらに人件費削減による医療経済効果も認められた.
- 社団法人 日本透析医学会の論文
著者
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福永 惠
市立豊中病院腎臓内科
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大瀬戸 奨
市立豊中病院腎臓内科
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黒田 泰二
黒田泌尿器科
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奥村 宜士
黒田泌尿器科
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大植 麻衣
近畿中央病院腎臓内科
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川本 茉莉
黒田泌尿器科
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光山 綾香
黒田泌尿器科
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松山 友美
黒田泌尿器科
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末光 聡子
近畿中央病院腎臓内科
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