端坐位での後屈時腰痛の有無と骨盤前傾角度に関して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,端坐位後屈時における腰痛の有無と骨盤の動きを比較し,関連性を明らかにすることである.対象は,端坐位での後屈時に腰痛がある患者10名(p+群)と,疼痛のない患者10名(p-群)とした.はじめに,端坐位での骨盤前傾角度を左右とも水平角度計で測定した.次に端坐位のまま後屈するように指示を与え,疼痛の有無を確認すると同時に骨盤前傾角度を測定した.端坐位での骨盤前傾角度は,有意差がなかった.後屈時の骨盤前傾角度は,p+群はp-群に比べ有意に後傾していた.また,p-群はすべて両側5°以上だったのに対し,p+群は10例中7例が両側または片側が5°未満であった.結果より,端坐位での痛みのない後屈動作を行うには,少なくとも5°以上の骨盤前傾角度が必要であり,後屈時に腰痛が生じる患者に対し,端坐位での後屈時痛の有無と骨盤前傾角度を評価することは有用であることが示唆された.
- 日本腰痛学会の論文
著者
-
亀山 顕太郎
松戸整形外科病院リハビリテーション科
-
岩永 竜也
松戸整形外科病院リハビリテーション科
-
上野 倫史
松戸整形外科病院リハビリテーション科
-
岩永 竜也
松戸整形外科病院 リハビリテーション科
-
亀山 顕太郎
松戸整形外科クリニックリハビリテーション科
-
上野 倫史
松戸整形外科クリニックリハビリテーション科
関連論文
- 340 運動学習スケジュールの相違が両側性転移に与える影響
- 1325 投球障害肩における肩関節水平外転時の肩甲帯と上腕骨の動きについて : 投球側と非投球側の比較(骨・関節系理学療法36, 第42回日本理学療法学術大会)
- 1069 骨盤回旋時の骨盤傾斜角度の違いに関して : 半歩前進位と半歩後退位における違い(理学療法基礎系,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 1462 体幹後屈時腰痛における立位評価と座位評価 : 座位での骨盤前傾角度に着目して(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 1439 剣道に対する入谷式足底板の試み : 足背部疼痛の持続により,症状が増悪した症例(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 114 片脚ブリッジ・体幹回旋機能の向上が肩甲帯内転角度に及ぼす影響(骨・関節系理学療法,一般演題(ポスター発表演題),第43回日本理学療法学術大会)
- 端坐位での後屈時腰痛の有無と骨盤前傾角度に関して
- 334 側屈時腰痛と股関節外転機能について : 側屈時腰痛群とコントロール群の比較(骨・関節系理学療法17,一般演題ポスター発表,理学療法の可能性,第41回日本理学療法学術大会)
- 312 投球障害肩におけるゼロポジション外旋機能評価について : Acceleration phaseでの疼痛に着目して(骨・関節系理学療法1)
- 843 片脚立位動作時の補償動作について : 健常群と腰痛群の比較(骨・関節系理学療法32)
- 1155 Love法クリティカルパスの導入について(教育・管理系理学療法11)