神経症状を伴わない腰痛における疼痛部位と疼痛誘発動作の関係
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概要
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神経症状を伴わない腰痛43例において, 疼痛部位と疼痛誘発動作との関係について調べた. 下位腰椎傍脊柱部は椅子から立ち上がる動作で, 上位腰椎傍脊柱部は座位または立位の保持で, 中間部分の腰椎傍脊柱部は前屈で, それぞれ疼痛が誘発される傾向にあった. 椅子からの立ち上がり動作では, ある時点で腰仙部の前弯が強くなり, 下位腰椎の内在筋が強く収縮するため下位腰椎傍脊柱部に疼痛を生じるものと考えられた. 座位・立位の保持では, 姿勢保持のために頻繁に筋収縮が行われるが, その理由として骨盤を基準としたときにモーメントの大きい上位の筋群により大きな負担がかかりその部位に筋疲労をきたしやすいものと考えられた. 前屈姿勢において, 腰椎の各部のコンプライアンスが同じであると仮定すれば, 固定端であるL1やL5よりも中間部分の変位が大きいと考えられるので, 中間部分の腰椎傍脊柱部に疼痛を生じやすいものと推測された.