終末期前立腺がんのホットフラッシュに対しガバぺンチンが著効した1例
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概要
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【目的】ホットフラッシュは終末期前立腺がん患者のQOLを損なう難治性な症候である. 男性のホットフラッシュにガバぺンチンが著効した症例を経験したので報告する. 【症例】70歳代, 男性. 前立腺がん(stage D). LH-RHアゴニストを投与され, 投与開始2カ月目よりSTAS-J, 自覚症状共に3/4-4/4程度のほてりが出現し, QOLが著しく損なわれていた. 鎮痛補助薬としてガバぺンチン400mg/日の投与を開始したところ, 投与開始7日目には, ほてりがSTAS-J, 自覚症状共に2/4にまで改善した. 以降, ガバぺンチン増量し, 1,000mgまで増量した投与開始17日目にはSTAS-J, 自覚症状共に0/4にまでほてりは劇的に改善した. 1,200mgまで増量し維持量としたが, 以降, ホットフラッシュは出現せず, QOLが保たれた. 【結論】本症例は, 鎮痛補助薬として使用したガバペンチンによって, 前立腺がんホルモン療法の副作用であるホットフラッシュが著明に改善された. 本症例および文献的考察により, ガバペンチンは終末期前立腺がん患者のQOLを改善する可能性があると考える. Palliat Care Res 2009; 4(2): 334-338
- 日本緩和医療学会の論文
著者
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片山 直之
三重大学医学部 血液・腫瘍内科学
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片山 直之
松阪厚生病院
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荒木 裕登
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
山中 幸典
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
酒井 崇
松阪厚生病院緩和ケア病棟
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松浦 明子
松阪厚生病院緩和ケア病棟
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岡井 美鈴
松阪厚生病院緩和ケア病棟
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田中 友晴
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
齋藤 友季子
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
青沼 宏深
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
向井 賢司
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
齋藤 純一
松阪厚生病院緩和ケア病棟
-
荒木 裕登
松阪厚生病院
-
青沼 宏深
松阪厚生病院
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山中 幸典
松阪厚生病院
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松浦 明子
松阪厚生病院
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岡井 美鈴
松阪厚生病院
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酒井 崇
松阪厚生病院
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齋藤 友季子
松阪厚生病院
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齋藤 純一
松阪厚生病院精神科
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