リテール・バンキング・サービスにおけるCRM戦略の考察
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概要
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本稿では、顧客の一生涯の金融ニーズを継続的に取り込むことで収益が最大化されるリテール・バンキング・サービスにおいて、長期的に顧客維持を図るための有効な手段であるCRMに関する取組みを、94行の金融機関によるアンケート調査を行い考察した。導入した結果、膨大に蓄積された顧客データが十分に有効活用されていない、目に見えるほど収益貢献度が実感できない、といった問題が指摘され、CRMの本来の目的である顧客中心主義の実践と、それに基づく収益力向上に向けた取組みという点で課題を残している。今後は、自らの戦略上の重点分野に絞り込んで経営資源を投入して費用対効果を高め、有効性を確認しながら徐々に展開していくことが必要である。