門脈腫瘍栓を伴う多発肝細胞癌に対し陽子線治療を含む 集学的治療が奏効した1例
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概要
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症例は43歳のHBVキャリアの男性で,2004年3月に他院にて門脈腫瘍栓(Vp4)を伴う肝右葉の肝癌と診断された.その後陽子線治療(2Gy/回,計70Gy)を受け,治療後の経過観察中に肝左葉に多数の肝癌の出現を認めたため7月4日に当科に紹介入院となった.肝動脈造影では肝左葉に多数の結節状の濃染像を認めるも門脈左枝には腫瘍栓は認めなかった.肝左葉全体にchemolipiodolizationを施行した後より抗癌剤持続動注療法(low dose FP)を開始した.1コース終了後の血管造影検査上,腫瘍濃染像は消失し腫瘍マーカーも著明に低下した.その後薬剤を変更しながら動注療法,化学療法を継続し,2006年12月現在腫瘍の再発の徴候は認めていない.初発時門脈腫瘍栓を伴い,後に多発した肝癌でありながら集学的治療が著効した症例を経験したので報告する.
著者
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辰巳 靖
福井県立病院 消化器内科
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伊部 直之
福井県立病院 内科
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吉川 淳
福井県立病院 外科
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伊部 直之
福井県立病院内科
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又野 豊
福井県立病院消化器内科
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徳植 公一
筑波陽子線医学利用研究センター
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秋根 康之
筑波陽子線医学利用研究センター
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吉川 淳
福井県立病院放射線科
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伊部 直之
福井県立病院消化器内科
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伊部 直之
福井県立病院
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