西南日本古代人のストレスマーカー : 2. クリブラ・オルビタリアとエナメル質減形成, 及びハリス線を含めた三種のストレスマーカーの関連性
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概要
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西南日本出土の縄文時代から現代に至る頭蓋骨682個についてクリブラ·オルビタリアを, また626個体の歯列についてエナメル質減形成を肉眼観察し, それぞれの出現頻度を調査した。両ストレスマーカーは共に小児期から思春期頃にかけて最高頻度に達し, 以後は年齢と共に減少する傾向が見られた。クリブラ·オルビタリアは現代人の35.4%が最高で, 最低は博多の天福寺近世人の2.4%であった。また, エナメル質減形成は原田近世人で87.0%の最高値を示し, 最低は北部九州弥生人の15.2%であった。このストレスマーカーには西日本各地の弥生集団間でかなりの違いが見られたが, 縄文人に較べて特に北部九州弥生人で低下傾向が認められた。以上の各時代, 地域集団において, ハリス線を含めた3種のストレスマーカー間の相関を調べたところ, クリブラ·オルビタリアとエナメル質減形成の間に弱いながらも有意の関連性が認められた。
- 2003-06-01
著者
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