西日本古代人における前頭洞形態の時代変化
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概要
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北部九州・山口地方出土の縄文時代人から現代人にいたる頭蓋骨675個について,レントゲン撮影による前頭洞形質の時代変化を分析した.縄文人に較べて,後世の特に渡来系弥生人と呼ばれる北部九州・山ロ地方弥生人は,前頭洞のサイズが小さく,幅に比して高さが低いという点で明らかな違いが見られた.同傾向は弥生以降の人々にも受け継がれるが,中世期にやや特異な変化が認められ,従来の頭蓋計測に基づく結果と類似した時代変化の様相が明らかとなった.また,種子島の広田弥生人男性には,頭蓋形態や歯と同様,前頭洞でも縄文入的な特徴が認められ,一方,アイヌと縄文人,およびこの両者と沖縄の近世人の間にも類縁関係が窺われた.
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