「第 1 回大学病院補完代替医療外来連絡会」報告
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概要
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補完代替医療の適正な利用に関する情報提供の必要性がますます高まっているなか,徳島大学病院では平成 19 年 7 月に補完代替療法室・おくすり相談室を開設し相談業務を開始した.食品などの分野に関する対応であるが,既存のエビデンスが少ないため,対応に当たって困惑することも少なくなく,他の大学病院における補完代替医療の外来診療部門との交流が業務の質向上には効果的と考えられた.今回,平成 20 年 7 月 14 日に徳島大学病院に金沢大学大学院補完代替医療学講座の大野智准教授をお招きし,第 1 回大学病院補完代替医療外来連絡会を開催したので報告する. 患者,相談担当者,主治医がどのように情報を共有するかが重要であり,そのシステム構築が今後の課題であること,利用に関する判断の基準として科学的根拠が重要との説明が中心になること,「がんの補完代替医療ガイドブック第 2 版」や独立行政法人国立健康・栄養研究所のデータベースなどを参考に公表されたエビデンスを回答の根拠とすること,作用機序に関しても一定の範囲で説明する例が多いこと,対応後のフォローアップ体制構築が今後の課題であること,などの現状や問題点などが報告された.また,代表的な事例として,通常診療との相互作用で影響が懸念される例などが紹介され,特に補完代替医療の中で,単独,または相互作用で健康被害を生じる可能性のあるものに関する情報提供の必要性が示された. 補完代替医療の利用状況の適切な把握,病院職員に対する補完代替医療の啓発,新しいエビデンスを構築するために,補完代替医療に関する臨床試験を推進する必要性があること,また臨床試験の前提となる安全性評価のガイドライン作成が必要である,などの課題も確認された.今後もこのような情報交換の機会継続を予定している.
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