情報社会の知的所有権 : 公共的アプリケーションの著作権
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概要
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インターネットは,当初,開発が公共領域においてなされ,開発後,運用が私的領域に移されている。このために,制度的にも技術的にも,公共的な性格と私的な性格とを併せ持つようになった。したがって,前インターネット時代には,私的領域から分離されていた公共部門が,インターネット上では私的領域に組み込まれ,私的領域に対してこれまでよりも大きい相互作用を持つようになった。このために,本来,私的領域を規制していた著作権制度が,公共領域を規制する諸制度と競合するようになった。このような環境のなかでは,学術情報や政府情報など公共的な情報に対する著作権法の影響は,他の諸制度による影響とのバランスのなかで理解されなければならない。
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- 市川惇信著, 『暴走する科学技術文明 : 知識拡大競争は制御できるか』, 岩波書店, 2000, 323ページ, 2800円