異時性肺多発癌に対する手術成績

概要

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目的.根治可能な早期肺癌症例の増加とその手術成績の向上に伴い, 第2癌を経験する機会が多くなった.今回, 当院で経験した第2癌の外科治療について検討した.方法.1996年1月から2003年12月までに原発性肺癌に対して手術を行った患者のうち, 経過観察中に第2癌が出現し手術を行った症例を対象とした.結果.原発性肺癌手術症例は523例.第2癌を確認した症例は19例(3.6%)で, 16例に手術を行った.性別は男性10例, 女性6例.第2癌手術時の年齢は平均75歳.第1癌の術式は肺葉切除14例, 区域切除2例.第2癌の術式は肺葉切除4例, 区域切除4例, 部分切除8例.第2癌の臨床病期はIA期11例, IB期5例.病理病期はIA期13例, IB期1例, IIB期2例.手術死亡・在院死亡は無し.術後合併症の発生も無かった.第2癌手術からの5年生存率は56.8%, また縮小手術を行った12症例の5年生存率は71.1%であった.結論.縮小手術で根治可能な臨床病期I期までの段階で第2癌を発見すれば, 積極的に手術を行うことで良好な予後につながると考えられた.肺癌手術後は第2癌発生を念頭に置いた定期的・計画的な術後経過観察が重要と考えられた.
日本肺癌学会の論文
2005-06-20