ハツカネズミ発生初期の卵子におよぼす X 線の影響
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概要
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ハツカネズミの発生初期の卵子におよぼす X 線の影響を調査する目的で, 受精後の12時間目 (0.5日) および36時間目 (1.5日) の dd×CBA の F1 の交配雌に X 線を照射し, その胎児を観察した。X 線は 5r, 15r および 25r の線量を用いた。1) 着床後早期の死亡胎児は線量に比例して増大したのに対し, 着床後後期の死亡胎児は線量による関係はみられなかった。2) 着床後早期の死亡胎児は, 受精後0.5日目の照射区において, 受精後1.5日目の照射区より増大した。3) 照射された胎児1001個体から8個体の脱脳症と2個体の後肢に多指症をもった胎児が検出された。4) 前肢の第5指の基部に小さな突起をもった多くの奇形胎児が, 照射区および対照区から検出された。5) 組織学的観察の結果, 前肢に異常をもつた胎児は, その異常部の中心部にいずれも軟骨組織がみられた。
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