症例報告 臀部に生じたG-CSFおよびPTHr-P産生有棘細胞癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例70歳女。数年前からの右臀部皮膚腫瘤を主訴に受診した。臨床的に右臀部に単発でカリフラワー様の,大きさ65mm大の腫瘤をみた。生検で皮膚有棘細胞癌と診断した。CT検査では所属リンパ節転移及び遠隔転移は認めなかったが,拡大切除後,鼠径リンパ節転移と肺転移が出現した。リンパ節転移と肺転移が進行するにつれて白血球増多症(74100/μl)と高カルシウム血症(13.4 mg/dl)がみられるようになり,検査の結果G-CSF357pg/ml(n<39pg/ml)とPTHr-P25.2pmol/l( n<1.1 pmol/l)の上昇も認めた。カルボプラチンとエピルビシンの投与を行ったが効果なく,緩和ケアとして放射線照射を行った。初診6ヶ月後に肺転移による呼吸不全で死亡した。白血球増多症と高カルシウム血症は腫瘍がG-CSFとPTHr-Pを産生したためと思われた。G-CSFおよびPTHr-P産生有棘細胞癌は極めて稀であり文献的考察を含めて報告する。
- 自治医科大学の論文
自治医科大学 | 論文
- 急性大動脈解離手術時に使用したGRF糊が原因と考えられる遠隔期基部大動脈仮性瘤の一例
- 止血用クリップを用いた腋窩動脈送血用側枝人工血管の閉鎖手技
- 胸部大動脈手術周術期における心房性不整脈の発生要因について
- シベレスタットナトリウム水和物による胸部大動脈緊急手術後集中治療期間の短縮効果
- 冠状動脈バイパス術中に大動脈近位側自動吻合器 : (PAS-Port proximal anastomosis system)不具合の1例