宗教組織によるインドシナ難民支援事業の展開 : 立正佼成会を事例に
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概要
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ベトナム戦争の終結後、ボート・ピープルなどの多くの難民がインドシナ半島から流出した。西側諸国の一員として難民受け入れを進めた日本において、民間組織のなかで主としてそれに協力したのが宗教系組織であった。本稿では、立正佼成会という新宗教教団による活動の実態を明らかにしただけでなく、教団が当該の事業に着手し、20 年近く活動を持続しえた要因として、その開始時期が教団の積極的な社会参加の展開期と重なっており、さらには事業のキーパーソンが継続的に活動に関与していたといった点を指摘した。こうした難民支援事業は、現代日本の移民(ニューカマー)と宗教との関わりについての研究において それほど注目されてこなかった対象であるため、本稿は研究の間隙を埋める意義も有している。After the Vietnam War, a huge number of "boat people" and other refugees escaped from the Indochinese Peninsula. In Japan, which like other developed nations accepted many of these refugees, the main non-governmental organizations cooperating on projects to care for them were religious organizations. I examine the factors under which Rissho Kosei-kai, a well-known new religion in Japan, began participation in these projects and continued them for about 20 years. This article has academic importance for the field of studies on the religion of immigrants ("Newcomers") in contemporary Japan and on the relation between immigrants and Japanese religious groups, which have not paid adequate attention to these refugee projects.
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