エンパワメントに基づく認知症予防教室の実践
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概要
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我々は2005 年より三原市における認知症予防教室に参画してきた。本稿ではそのコンセプトと2007年に実施したプログラムと成果を報告する。本教室は,一般市民を対象とした目的型ポピュレーションアプローチにより,参加者の認知症予防行動が習慣化されることや自己効力感を高めることを主な目的としている。そのため,参加者はグループを構成し興味や課題と言った自分たちに何らかの意味のある活動を計画し,実行し,振り返ることを通して,認知症予防のための認知的アプローチの手法を学ぶ。その中で,我々は,彼らのエンパワメント支援を行っている。2007年のプログラムでは参加者の9割が「今までやめていたいことを家でするようになった」,8割が「日常生活でも計画― 実行― 振り返りを意識するようになった」と回答し,行動変容や意識変化の成果が認められた。また,自主化されたグループは2年半経過した現在でも活動を継続している。We have participated in the planning of dementia prevention classes since 2005 in Mihara-city. We describe its concepts and reported on a program and outcomes of the dementia prevention class that we did in 2007. Our classes are based on a target-population approach and their purpose is to make participants make a habit of behavior preventing dementia and to enhance self-efficacy. Participants divide into small groups and learn the cognitive approach and practice meaningful activities through a plan-do-see process. Results of a questionnaire in 2007 showed that their perceptions and habits of behavior preventing dementia changed signifi cantly. For example, "I restart some things which I stopped" was mentioned by 90% of participants and "I became aware of plan-do-see in daily life" was mentioned by 70% of them. An autonomous group was organized from some participants after the class and they are now continuing their group activities twice a month.報告Reports
- 県立広島大学の論文
著者
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