Pulse-ESRとCW-ESRによる照射黒コショウ中のラジカルの緩和時間解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ガンマ線の食品への照射は有効な殺菌処理として世界的に広がっている。電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR)法はラジカルを計測する高性能機器で,観測されるスペクトルの変化から検知を行っている。一般にラジカルの緩和時間(T1,T2)はpulse-ESRの計測から求められる。本研究ではpulse-ESRによる照射黒コショウの計測を試みた。また,著者らはCW-ESRの飽和曲線から理論解析で算出した照射食品の緩和時間を報告している。そこで,pulse-ESRで求めた緩和時間と,CW-ESRから求めた計算値の比較を行った。照射黒コショウ中のラジカルのT1の値は照射による変化が小さかった。T2の値は照射によって増大した。pulse-ESRとCW-ESRから求めたT1,T2は,同様の傾向を示すことがわかった。pulse-ESRの計測から得られるT2の値は照射依存性が非常に強かった。今後,低線量照射試料での検討を行うことで,新たな照射検知に応用できる可能性を示すことができた。
- 日本食品照射研究協議会の論文
- 2012-09-00
日本食品照射研究協議会 | 論文
- 低線量放射線による微生物毒素産生能の変化に関する研究1 : ベロ毒素を産生する腸管出血性大腸菌Escherichia coli O157 : H7に及ぼす影響
- 酸化防止剤含有ポリエチレン, ポリプロピレン及びポリスチレンに対するガンマ線照射の影響
- 食品用ポリエチレン, ポリプロピレン及びポリスチレン製品へのガンマ線照射の影響 : 揮発性物質
- 食品用ポリエチレン, ポリプロピレン及びポリスチレン製品へのガンマ線照射の影響 : 添加剤及びその他の化合物
- 照射肉類の炭化水素法による検知