'桜島ダイコン'の根形のダイアレル分析
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概要
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桜島ダイコン'の根形は,その大きさとともに他品種と大きく異なる重要形質の一つである。そこで,扁球の品種を効率的に育成するために,根形に関する形質の遺伝様式を明らかにした。自然受粉系統から自殖により固定した根形の異なる8近交系統を親に用い,片側ダイアレル分析を行った。根形に関わる形質として根長および根径を測定し,また,画像解析ソフトSHAPEを用い,楕円フーリエ記述子に基づいて形状情報を定量化し,主成分分析を行った。その結果,第1主成分(PC1)は根径/根長比を主に表し,第2主成分(PC2)は,肩張りおよび尻づまりの程度を主に表した。片側ダイアレル分析の結果から,根長は広義および狭義の遺伝率が高く,不完全優性の形質と推定された。根径およびPC1は,広義の遺伝率が高くて狭義の遺伝率が低く,根径は超優性,PC1は完全優性から超優性の形質と推定された。また,PC2も超優性の形質と推定されたが,他の形質に比べて広義および狭義の遺伝率が低かったことから,環境に影響されやすい形質であると考えられた。これら4形質の優性遺伝子は,それぞれ根長を長くする方向に,根径を大きくする方向に,根形を扁球にする方向に,および先尖りの逆円錐形になる方向に作用した。従って,F1育種により典型的な根形である扁球の品種を育成するためには,根径および扁球に関する優性遺伝子を両親系統のいずれかに持たせ,さらに,尻づまりを向上させる劣性遺伝子を両親系統に集積することが有効であると考えられた。
- 園芸学会の論文
- 2012-07-00
著者
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