カンキツグリーニング病菌調査に利用する2種のリアルタイムPCR法の比較
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概要
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カンキツグリーニング病として知られている黄龍病(英名Huanglongbing以下HLB)は、世界中のカンキツで最も重要な病気の一つである。Candidatus Liberibacter asiaticus(以下Las)によって引き起こされるHLBは、我が国では1988年以降、限られた地域(沖縄県及び鹿児島県の島嶼の一部)においてのみ発生している。本研究では、HLB発生地域の一つであり、緊急防除が行われている鹿児島県喜界島で実施する駆除確認調査において用いるために、nested-PCR法(Ding et al。,2005)と2種のリアルタイムPCR法(奥田ら2009,川合ら2010)について、比較及び評価を行った。2種のリアルタイムPCR法は、nested-PCR法より10~100倍検出感度が高かった。そこで、2種のリアルタイムPCR法の正確性について沖永良部島で採取した葉を用いて調査したところ、両法とも、いくつかの試料の低濃度のコピー数において信頼性が得られなかった。しかしながら、両法の再現性において奥田ら(2009)のリアルタイムPCR法が川合ら(2010)のリアルタイムPCR法より優れていたことから、喜界島の調査は、奥田らのリアルタイムPCR法を用いることとし、それに加えて、リアルタイムPCR法で陽性反応を呈した試料に対して、その結果の正確性を担保できるJagoueixら(1996)のPCR法を行い、両手法で検定を行うこととした。また、Jagoueixら(1996)のPCR法で陽性とならなかった試料については、1年後に再検定を行うこととした。
- 2012-03-00
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