高品質で良食味の複合病害抵抗性水稲新品種「あきまつり」の育成
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概要
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「あきまつり」は、1992年に徳佐寒冷地分場で「ヤマヒカリ」と「愛知92号」(後の「祭り晴」)を人工交配し、選抜・固定化させて育成した品種である(品種登録出願:2006年9月)。出穂期と成熟期はほぼ「日本晴」と同じで、本県での熟期区分は早生である。稈長は「日本晴」並からやや短く、耐倒伏性は"強"、穂数は「日本晴」よりやや少なく中間型に属する。芒は穂の先端に稀に発生し、ふ先の色は黄白、穂発芽性は"難"である。「日本晴」と比べて、収量性は並からやや低く、千粒重はほぼ同等である。品質は乳白米の発生が少なく良質で、高温耐性は「ヒノヒカリ」より優れる。葉いもち、穂いもちとも"強"で、優れた病害抵抗性遺伝子として、穂いもち圃場抵抗性遺伝子Pb1、縞葉枯病抵抗性遺伝子Stv-biを持つ。炊飯米の外観は「ヒノヒカリ」より白く、食味評価は概ね「ヒノヒカリ」並である。栽培適地は県下全域で、湛水直播栽培には低温(15℃以上)に留意することで十分活用できる。
- 山口県農林総合技術センターの論文
- 2012-03-00