さび病抵抗性を有する'ねぎ中間母本農1号'の育成とその特性
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概要
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1)'ねぎ中間母本農1号'は,ネギ133品種・系統の中から選定した,発病程度の比較的低い'聖冬一本','岩井2号','長寿','せなみ','冬扇一本'および'豊川太'の6品種を基本集団として,循環選抜を2サイクル行った後,自殖系統選抜を3回繰り返して抵抗性および主要形質を固定させた品種である。2)'ねぎ中間母本農1号'は,循環選抜の基本集団の一つとした'長寿'や比較的強い抵抗性を持つ市販品種'夏扇3号'が激しく発病する条件下でも,さび病の病斑数が少なく,病徴の拡大も遅いことから,既存のネギ品種に比べて明らかに強い抵抗性を示す。3)'ねぎ中間母本農1号'の抵抗性は,植物の発育段階が異なっても,安定して発現する。4)'ねぎ中間母本農1号'と罹病性短葉系統の26-4s-2s-2sとの交雑F1は,'ねぎ中間母本農1号'より抵抗性が弱く,F2の自殖により得たF3系統群では幅広い抵抗性の変異が認められることから,さび病抵抗性は複数の遺伝子に支配されており,部分優性に遺伝すると推定される。5)'ねぎ中間母本農1号'は,生育がやや遅く,市販品種より収量性は低いものの,千住群品種の形態的特性を示し,立性で襟じまりが良く,分げつはほとんど発生しないため,さび病抵抗性品種を育成するための育種素材として有効である。
- 2012-02-00
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