[特別推進プロジェクト]南大隅町佐多地区の産業構造
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概要
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2005年3月31日に旧根占町と旧佐多町が合併して誕生した鹿児島県南大隅町は、本州最南端の自治体であり、日本の地方が抱える過疎問題に直面する典型的な地域である。中でも、かつて本州最南端の自治体であった旧佐多町に該当する南大隅町佐多地区は、現在南大隅町役場が存在する根占地区(= 旧根占町)からみても縁辺部となり、過疎化の進展は著しい。佐多地区の人口は、1950年の11,494人を境にして減少傾向に入り、2010年においては2,749人に過ぎない(国勢調査各年版)。 このように著しい人口減少が進んだ背景には、現金収入がある就業機会の乏しさから、県内の鹿屋市や鹿児島市などが主な若者の就職地域となり(佐多支所長竹野氏、2011年2月21日インタビュー)、佐多地区から人口が流出していったことがある。では、人口維持に著しい支障を来してしまった佐多地区の産業構造は、いかなるものであろうか。牛島(1987a、1987b)では、1980年頃までの佐多地区の産業構造を明らかにし、たとえ他地域に移住しないにしても、やはり現金収入を求めて三大都市圏などに活発な出稼ぎが行われていた状況を指摘している。本稿では、その成果を踏まえつつ、1980年以降の南大隅町佐多地区における産業構造を、特に就業機会の観点から検証する。その際には、公的統計資料に加え、2011年2月、2012年2月および8月に行った現地調査の成果も反映させる。
- 2013-03-14
著者
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