島根県斐川町の低湿地転換畑でのオオムギ跡ヒマワリ作における土着 AM 菌の感染の実態
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概要
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バイオマス利用を前提としたヒマワリ-オオムギ作体系が導入されている斐川町の低湿地転換畑を対象として,ヒマワリと共生し宿主植物に養分吸収促進,耐乾性増進などの効果が期待されているAM菌の感染状況について調査したところ以下のことが明らかとなった.1.オオムギにはほとんど感染が見られなかった.2. ヒマワリには25%程度の感染が見られたものの,栽培年によってはほとんど感染が認められなかった.3. 砂質土,壌質土間で感染に差は見られなかった.4. 標準施肥,リン酸減肥など施肥管理の違いによる感染率の差は認められなかった.5. 胞子密度は比較的高かった.ヒマワリなど感染しやすい作物への感染率の低さについて原因を検討した結果,圃場が過湿であり,根の発達が悪いことが原因と考えられた.試験圃場で排水対策を行う前後でヒマワリの生育と感染率の違いについて調査した結果,以下のことが明らかとなった.1.排水対策前はヒマワリの草丈は150cm程度と悪かった.2. この状態でのAM菌の感染率は13%程度であり,ほとんど根への感染が認められなかった.3. 排水対策後,湿害が生じにくい状態で栽培した結果,ヒマワリは200cm程度にまで生長した.4. 排水対策後の根へのAM菌の感染率は約55%であった.以上から,排水条件の悪い転換畑ではAM菌の根への感染率は低く,排水条件に改良などを通じて圃場を乾燥状態に改良することによってAM菌の感染率を大きく高めることができると考えられた.
- 2011-03-00
著者
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