ヒマワリ作転換畑における排水対策
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概要
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バイオマス利用を前提としたヒマワリ-麦作体系が導入されている島根県斐川町を対象として、ヒマワリなどの安定生産のための排水改善対策技術について検討を行った。この地区は、低湿な転換畑であることから、転換に必要な十分な対策が講じられているにもかかわらず、同作付体系導入以降、湿害による低生産が大きな問題となっている。地区内の調査を通じて、以下のことが明らかとなった。(1)斐川町には粘質、壌土質、砂質の土壌が見られ、それぞれ湿害発生の危険性を含んでいる。(2)農家ではその対策として、額縁明渠、圃場内小溝、弾丸暗渠など営農段階での対策をとっている。(3)しかしながら、排水の通り道となる暗渠の疎水域がほとんど消滅していた。これらから、営農段階での対策の効果が十分現れないのは、暗渠の機能が十分発揮できないことにあるものと想定された。そこで、試験圃場を斐川町内に設定し、排水不良の実態を把握すると共に改善対策について検討を行った。この結果、以下のことが明らかとなった。(1)降雨時には試験圃場作土内に水が長期に亘り滞留し、試験圃場でのヒマワリの生育は芳しくなく、根の生育も強く抑制されていた。(2)暗渠直上部を掘削しそこに疎水材としてモミガラを補給するという対策を施工した結果、降雨後暗渠から迅速な排水が見られるようになり、作土内の滞水はほとんど生じなくなった。(3)対策施工後の圃場では、ヒマワリの生育はよく、根の発達も顕著に改善され、同対策の効果は十分期待しうるものと考えられた。
- 2010-02-00
著者
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