ウンシュウミカン成木における乾物生産と分配の特性およびそれらに及ぼすマルチ敷設と環状はく皮の影響
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概要
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ウンシュウミカン'林温州' 成木(43年生)を供試し,乾物生産と分配の特性を調査するとともに,併せて,マルチ敷設と環状はく皮の影響について調査した.慣行栽培樹では,樹冠占有面積は約7.4m2,葉面積指数は約4であった.収量は1樹当たりでは約67kg,樹冠点有面積1m2当たりでは約9.1kg,葉面積1m2当たりでは約2.3kgであった.マルチ敷設樹および環状はく皮樹では,樹冠占有面積,葉面積指数および葉面積1m2当たり収量は,慣行栽培樹と有意差がなかった.可溶性固形物含量は,マルチ敷設樹が最も高く,次いで環状はく皮樹で,慣行栽培樹が最も低かった.慣行栽培樹における1年間の1樹当たり乾物増加量は,約16.5kgであった.器官別では果実が約10.6kgと最も多く,次いで新葉が約2.7kg,新根が約1.3kg,旧枝が約0.8kgおよび旧根が0.7kgであり,新梢が約0.4kgと最も少なかった.葉乾物重1g当たりの乾物増加量は約3.75g,葉面積1m2当たりの乾物増加量は約560gであった.光合成産物の器官別分配率は,果実が約64%と最も高く,次いで新葉が約16%,新根が約8%.旧枝が約5%および旧根が約4%であり,新梢は約3%と最も低かった.マルチ敷設樹および環状はく皮樹の器官別乾物増加量と器官別分配率は,環状はく皮樹の新根が有意に低かった以外は,他の器官では慣行栽培樹と有意差がなかった.また,単位葉乾物重当たりの乾物増加量および単位葉面積当たりの乾物増加量についても,慣行栽培樹と有意差がなかった.
- 2011-07-15
著者
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