ダイズ新品種「ことゆたか」の育成とその特性
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概要
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「ことゆたか」は,九州沖縄農業研究センター(旧九州農業試験場)において,温暖地向けに育成された豆腐用ダイズ品種であり,2005年に「だいず農林132号」として農林登録された。本品種は,早生~中生, 高蛋白で耐倒伏性の優れる豆腐用品種の育成を目標に, 早生・高蛋白の「エンレイ」と中生・耐倒伏性の「九州96号」を交配した組合せから育成したものである。育成地における標播栽培での本品種の主茎長は「タマホマレ」より短く,ほぼ「サチユタカ」並である。成熟期は「タマホマレ」より早く「サチユタカ」とほぼ同じであり,生態型は中間型である。成熟期の落葉揃いは良好であり「サチユタカ」「タマホマレ」よりも青立ちが少ない。収量は「サチユタカ」「タマホマレ」にやや劣るが,耐倒伏性は「サチユタカ」並であり「タマホマレ」よりも優れる。子実の形は扁球であり, 種皮色は黄白, 臍色は黄である。紫斑粒の程度は「サチユタカ」並であり「タマホマレ」より少なく,褐斑粒の発生は認められず, 子実の外観品質は「サチユタカ」「タマホマレ」と同程度である。子実の粗蛋白含有率は「サチユタカ」より低いが「タマホマレ」よりも高く,豆腐加工適性は良好である。また,ダイズモザイクウイルスのA2系統に対しては罹病性の「サチユタカ」と異なり,「タマホマレ」と同様に抵抗性である。裂莢性は「サチユタカ」並の易である。「ことゆたか」は滋賀県で2006年度に指定品種に採用された。
- 農業技術研究機構九州沖縄農業研究センターの論文
- 2011-09-00
著者
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