漁獲量, CPUE,尾叉長組成からみた日本近海におけるキンメダイの資源動向
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概要
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日本の沿岸域におけるキンメダイ漁は,1970年代から本格化し,漁場開発や漁具漁法の改良と相まって急速に発展し,1991年には漁獲量が1万トンに達した(本多他 2004)。こうした中,本種は,資源の持続的有効利用を目的とする「資源管理型漁業推進総合対策事業」の対象種に選定され,操業の中心となっている千葉県,東京都,神奈川県,静岡県(以下,一都三県という)において,1990年より5年間にわたり,資源調査,資源管理モデル開発,漁業経済調査ならびに資源管理推進のための漁業者組織の構築がなされた(太平洋中ブロック資源管理型漁業推進協議会 1993,太平洋中ブロック・東京都 1995)。この事業成果を踏まえ,各県ごとに自主的資源管理措置が設定され,漁業者主体の資源管理が実施されてきた。その後,本種が資源回復計画の候補に選定され,それを機縁とし2003年に一都三県水産研究機関と中央水産研究所によるキンメダイ・ワーキンググループが発足した。後に,高知県も加わり(以下,一都四県という),水産庁が実施する資源動向謂査のキンメダイ分科会として位置づけられ,今日に至っている。本ワーキンググループは,漁獲量,CPUE,尾叉長組成を通じ,キンメダイの資源動向の評価を行い,資源回復計画に反映させるとともに,漁業者団体が行う自主的資源管理の支援を行っている。その成果の一部については,既に報告されているが(本多他 2004),ここでは,その後の調査結果を踏まえ,キンメダイの資源動向を取りまとめたので報告する。
- 中央水産研究所の論文
- 2011-03-00
中央水産研究所 | 論文
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