3次元生態系モデルによる黒潮域プランクトン現存量の変動機構
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概要
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新たに開発した3次元の海洋低次生態系モデルを用いて、黒潮下流から黒潮続流にわたる海域を対象として冬季から夏季にかけての動・植物プランクトン現存量の変動の数値実験を行った。モデルは3次元プリミティブの物理モデルと11個のコンパートメントで構成される生物モデルとを結合させたもので、続流域周辺の中規模渦や蛇行といった中規模現象を再現し、栄養塩やプランクトン現存量の分布が物理場に敏感に応答して変動し、強い移流の効果でこれらが流れに沿って一様化している様子を示した。そして、季節変動では大型動・植物プランクトンの方が小型のプランクトンに比べて変動の相対的振幅が大きく、逆に数日規模の短期変動では小型の方が大型よりも変動の振幅が大きいという結果を得た。また、入力する日射量と風応力を各々2倍にした感度実験では、日射量の増加はブルームを早める効果があり、風応力の増加は混合層の深化に伴い動植物プランクトン現存量の鉛直分布の拡大と増強をもたらすことが分かった。
- 中央水産研究所の論文
- 2002-02-00
中央水産研究所 | 論文
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