初夏のサクラマス当歳魚の分布と河川物理環境との関係
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概要
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1.1999年と2000年の6月下旬に厚田川においてサクラマス0+幼魚の生息密度を調べ、河床タイプごとに分けた河床単位の物理環境(水深、流速、底質)の測定を行った。2.サクラマス0+幼魚は、平均体長が1999年では5.26-5.63cm、2000年では4.75-5.35cmで、生息場所を川岸近くから流心へと移行させている時期に該当した。3.クラスター解析により河床単位を分類し、サクラマス生息密度との関係を調べたところ、サクラマス生息密度は平均水深が浅く、平均流速が遅く、底質粗度が細かく、水面上50cm未満カバーおよび水面下カバーが多い場所で著しく高くなった。4.サクラマスの生息量を規定するのは河床単位に含まれる微生息環境であることが示唆された。5.微生息環境の創出には河畔林が関わっているので、この時期のサクラマス資源の保全には河畔林の保全が重要であると考えられた。
- 2008-03-00
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