イチゴ新品種'まりひめ'の育成経過と特性
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概要
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1.'まりひめ'は'章姫'×'さちのか'の組み合わせから育成された促成栽培用品種で、2008年に品種登録を出願された。2.草姿はやや立性で、草勢が強く、草丈は'さちのか'より高く、'章姫'より低い。促成栽培での冬季のわい化は少なく、育成地では電照やジベレリン処理を必要としない。3.育成地のポット育苗における花芽分化時期は9月14日前後で'さちのか'より早く、'章姫'より遅い。頂果房の収穫開始時期は12月上旬であり、'さちのか'よりも2週間以上早い。第一次腋花房の出蕾がやや遅く、頂花房との間に収穫の少ない時期ができやすい。4.1月までの早期収量は'章姫'、'紅ほっぺ'と比べて同等かやや多い。4月までの総収量は'さちのか'、'章姫'より多く、'紅ほっぺ'と比べて同等である。上物率は奇形果や乱形果が少ないため77%と高い。可販果の平均果実重は18g以上で、'さちのか'の15〜16gに比べて大きく、'紅ほっぺ'とほぼ同等である。5.果実糖度は'さちのか'と同等に高く、時期による変動が少ない。酸度は'さちのか'より低く、'章姫'よりやや高い。6.特定の病害には抵抗性を有さず、特にイチゴ炭疽病には'さちのか'と同様に弱い。'紅ほっぺ'と同様に心止まり株の発生がみられる。
- 2010-03-00
著者
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