温州みかんの樹冠上部摘果による中玉高糖均質果連年安定生産
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概要
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県内かんきつの80%以上が品質重視の光センサー選果となり、これからは光センサーに対応した高糖均質果生産を重視する必要がある。しかし、最近の温暖化気象や労力不足は、隔年結果性を増大させ、高糖均質果生産を困難にしている。こめため、本研究ではみかん研究所で開発した隔年結果防止に効果のある樹冠上部摘果技術を品種や作型別に応用して、バラツキの少ない高糖均質果生産の効果について検討した。(1)最近13年間で中玉(100〜120g)の年は6年で46.1%、大玉(120g以上)の年は5年で38.5%、小玉(100g以下)の年は2年で15.4%の確率であった。浮皮は10、11月の降水量が270mm以上でかつ11月の平均気温が14.0℃以上であった年で多発傾向であった。(2)宮川早生を樹冠上部摘果すると、翌年に上向きの摘果枝の芽つぼ付近から10cm以下の短く柔らかな春梢が4本程度発生した。2年後に着生した果実は、4果以上が55%でぶどうの房状に着果していた。(3)樹冠上部摘果区は糖度11度以上の光センサー合格率が93.3%と最も高くて、M・S果の割合も93.3%と最も高かった。また11月5日までの9分着色以上の採収の割合も76.9%と最も高かった。(4)糖度12度以上の光センサー合格率は採収時期が遅くなるほど向上した。また食味、販売価格も同様に上昇して、有袋越冬完熟においては1kg当たり522円の高価格であった。(5)隔年結果性が大きく摘果労力が不足している大規模園地で、表年に樹冠上部に摘果剤を散布すると夏芽が発生して翌裏年の結果母枝を確保できるため、省力的に隔年結果を防止できる。また浮皮を著しく抑えることができて高糖均質果安定生産に有利であった。
- 2009-03-00
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