コルヒチンの減圧吸収法によるカンキツ4倍体作出の効率化
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概要
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従来4倍体は腋芽のコルヒチン浸漬により作出していたが、高濃度では枯死が多く、低濃度では作出率が低かった。本報告では高接ぎ可能な結果母枝や苗木のインタクトな結果母枝にコルヒチンを減圧吸収させることによって4倍体作出の効率化を図った。(1)コルヒチンの減圧吸収処理した結果母枝272本から255本の新梢が発生して、17本が枯死した。減圧吸収法による倍数体発生確率は4倍体で6.6%、キメラで18.4%となり、従来法よりも4倍体で7.3倍、キメラで16.7倍高かった。また減圧吸収法の枯死率は6.2%で、従来法の43.6%と比べて顕著に低かった。(2)コルヒチンを減圧吸収させた穂木から、'モロ'と'KIP'の4倍体それぞれ1個体ずつ、および'南津海''タロッコ''河内晩柑''チャンドラポメロ''シークワシャー'他2品種のキメラを合わせて12個体得られた。(3)苗木のインタクトな母枝から、'河内晩柑'と'シークワシャー'他3品種の4倍体を20個体、および'ウィルキング''パーソンブラウン''KIP''スイートライム'他9品種のキメラを37個体得られた。品種では'シークワシャー'の倍数体発生率が高くて、その発生確率は4倍体で16.0%、キメラで18.7%であった。(4)減圧吸収法において、4倍体発生率が最も高かった処理法は0.1%コルヒチンの15分×2回処理であり、その発生率は14.7%であった。
- 2009-03-00
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