屋根散水による夏季のパイプハウス内昇温抑制技術
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概要
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パイプハウスにおける簡易かつ低コストな夏季の昇温抑制手法である屋根散水技術の実用性を高めるため、屋根面に展張する被覆資材の種類、散水方法・散水間隔・散水量を検討するとともに、屋根散水に必要となる水量を節減するため散水した水を再利用する方法を開発、検討した。さらに屋根散水の有効性を明らかにするため、コマツナの生育に与える影響を調査した。1.屋根散水に用いる被覆資材として割繊維不織布、長繊維不織布、透明寒冷紗の3種類の農業用資材を比較した結果、長繊維不織布が屋根散水による昇温抑制効果が高く、かつ比較的安価であることから、屋根散水に適した被覆資材であることが明らかとなった。2.散水間隔について検討した結果、屋根散水によりハウス内温度を効果的に低下させるには、被覆資材の保水性を考慮し、散水した水が乾く時間を与えないように散水間隔を決定する必要があることが明らかとなった。3.スプリンクラーと灌水チューブを用いた2種類の散水方法について比較した結果、屋根面全体に散水することができ、散水量が同程度であれば散水方法は昇温抑制効果に影響しないことが明らかとなった。4.散水した水の余剰分を回収し再利用することにより、掛け流しする場合に比べ、必要となる水量を大幅に節減できるだけでなく、屋根面に乾いた箇所が生じないよう多めに散水でき、掛け流しする場合と同等以上の昇温抑制効果が得られることが明らかとなった。5.ハウス内の昇温抑制がコマツナの生育に及ぼす影響を調査した結果、梅雨明けからおよそ2か月間の盛夏時において屋根散水を行うと、高温による生育抑制が軽減され、コマツナの生育が向上することが明らかとなった。
- 2009-03-00
著者
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