高圧処理によるタマネギの改質に関する研究
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概要
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新鮮な食品素材に内在する栄養特性や嗜好特性を損なうことなく加工あるいは殺菌する技術のひとつが高圧処理である。食品素材である農産物に高圧処理を施すと内部組織構造や膜構造が破壊される結果として、内部での物質移動が容易となったり、力学特性が変化することが知られている。また、高圧処理を非加熱殺菌法として食品の殺菌に応用する試みのみならず、菌固有の圧力感受性を利用した選択的殺菌が報告されている。さらに、加熱による変性を必要とする場合や圧力単独処理では死滅しない微生物を殺菌する場合には、圧力と加熱を併用して応用する技術が研究されている。Bauerらが温度・圧力条件によってデンプンの糊化度が顕著に異なることを報告する一方で、Margoschらは70℃の加熱処理と800 MPaの高圧処理の併用でも死滅しない胞子が存在すると報告している。食品への新しい高圧の利用法として、圧力および温度に除圧後の時間の因子を加えて、食品素材を高付加価値化させる技術を確立するための研究が進んでいる。本研究では、高圧処理によって食品素材を改質し、機能性を富化させることを目的とし、高圧処理を施したタマネギについて、内部構造変化と抗酸化活性に着目して実験的に検討するとともに、高圧効果の解析法を新たに考案した。
- 2009-03-00
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