マアジの酸素消費量と遊泳能力について

概要

論文の詳細を見る
大衆魚としてなじみが深いマアジは刺身、塩焼き、干物など用途が広く、水産上重要な種類である。アジの需要増加という社会情勢と餌付けがしやすく成長も良好なことからアジ養殖は急速に発展し、生産量を伸ばしてきた。アジ養殖はハマチ養殖に比べてミンチ肉の使用頻度が高いため、養殖環境への汚染負荷が大きい。養殖アジは天然アジに比べ脂が多く、肉質が軟らかく味に乏しいことが指摘されている。過密養殖からの脱却と海洋環境に有機物を排出しないために、海から離れて陸上で海水を循環させる陸上養殖の技術開発も進んでいる。実用化も始まった閉鎖循環式陸上養殖は海洋汚染の防止に加えて水質管理が徹底できること、さらに海洋からのウイルス感染がないため病害が低いことなど利点が多く、期待されている。また、運動負荷を与える「流水養殖」は肉質向上が期待できる。酸素消費量に及ぼす遊泳速度と水温の影響について調査した。引き続いて本報では、マアジを用いて、酸素消費量に及ぼす遊泳速度と水温の影響、遊泳能力および体長と体重の関係について調べたので報告する。
水産大学校の論文
2008-03-00