中国農村部の社会保障制度の整備--医療制度を中心に
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概要
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中国においては、改革開放政策が実施されて以降、国内の様々な政策、制度の改革が迫られている。その中で特に医療制度など社会保障制度の整備は重要な課題となっている。医療制度について、都市部では、全国都市部労働者の医療制度が設立され、現在徐々に整備されている。農村部では、1950年代から農村合作医療制度が実施され、農村の衛生医療に大きく貢献したが、1980年代から農村合作医療が崩壊し、現在新しい農村合作医療はまだテスト段階にある。今後は、農村地域における医療制度の整備が大きな課題である。本稿は、医療制度を中心に中国農村部の社会保障制度の整備について考察を行う。農村部の高齢化問題や拡大しつつある都市と農村間の格差に着目し、農村部医療制度改革における問題点を明らかにする。また、中国の衛生医療事業への財政支出及び医療サービスの利用状況を考察し、日本の社会保障制度の整備経験からの示唆や農村全体の振興について展望してみたい。
- 千葉大学大学院社会文化科学研究科の論文
- 2006-03-00