中国の社会変動と社会保障制度
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概要
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社会保障とは、個人の生活面での安全、具体的には健康や退職後の生活、それに最低限度の生活保障を社会全体が引き受ける制度のことである。中国における社会保障制度は、1951年に「労働保険条例」が制定され、国有企業労働者に対する老齢給付、医療給付等が制度化されたことにその起源を有する。その後、公務員、農村住民とその職業に応じて逐次、制度化が図られた。改革開放とともに市場制度が導入され、多くの個人企業や私営企業が生まれ、個人が社会から、そして社会も国家から分離し始め、それに対応した新しい社会保障構造が必要になってきた。それは、個人、社会、それに国家が分担し合う、より近代的な社会保障の仕組みである。本稿においては、第1部では第2部の理解に資するために、社会保障制度を取り巻く環境、改革開放、国有企業改革などについて概観する。第2部では中国の社会保障制度の過程、特徴、課題及び展望について考察している。
- 千葉大学の論文
- 2005-03-31