第65回東邦医学会総会シンポジウム:皮膚からみた心,精神からみた肌 精神からみた肌
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概要
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総説皮膚は外界と自己の境界であり,また可視性であるが故にその病変は対人関係の回避を引き起こすなど,皮膚症状は精神医学において重要な対象であると考えられるが,精神医学の側から皮膚関連症状が体系的に論じられることは少なかった.本稿は皮膚寄生虫妄想,醜形恐怖,自己臭恐怖を取り上げ,その精神医学的病態と形成過程を検討した.皮膚寄生虫妄想が高齢者に多く対人関係の希求がみられるのに対して,醜形恐怖は若年層にみられ対人恐怖として位置づけられる点が大きく異なる.皮膚寄生虫妄想や醜形恐怖はmonosymptomatic hypochondriacal psychosis の概念で統一されることもあるが,好発年齢の世代特性を背景に,それぞれ異なる形式で特徴ある症状を形成していくと考えられる.また,難治性とされるこれらの治療においては,皮膚科領域との連携を含めたbio-psycho-social にわたる包括的なアプローチが重要となるであろう.
- 2012-03-00
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