重症心不全に対するβ遮断薬(カルベジロール)至適投与の指標について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景:心不全に対するβ 遮断薬療法は有用であるが,症例によっては副作用のために投与中止せざるを得ない.各種パラメータを測定し,カルベジロール投与における予後不良の予測因子を検討した.方法と結果:2003年7月~2005年6月に当院に入院した重症心不全,連続10例を対象とした.カルベジロールの初期投与量は2.5mg/日で,4~8週間かけて徐々に増量した.全例で導入可能であり,10mg/日で12ヵ月間の投与後,エコーにて心機能を評価した.心不全の悪化のため,3例(30%)で投与を中止した.中止例では年齢が有意に高かった(79.3±2.3歳対59.3±11.5歳,p<0.05).導入前の左室駆出率やその他の各種パラメータでは,副作用の出現を予測することはできなかったが,導入後に左室拡大を認める症例は予後不良であった(左室拡張末期径の変化:12.0±11.3mm 対-2.0±7.6mm,p=0.05).結論:重症心不全患者に対してカルベジロールは安全に導入可能であり,年齢のみが予後不良の予測因子であった.
- 徳島赤十字病院の論文
- 2007-03-01
徳島赤十字病院 | 論文
- 野球選手の上方関節唇損傷に対する各種徒手テストの有効性
- 当院における子宮頚部初期病変CINⅢの取り扱い
- 当科における卵巣嚢腫の腹腔鏡下手術の検討
- 腹腔鏡下手術における合併症の検討
- 重症心不全に対するβ遮断薬(カルベジロール)至適投与の指標について