当院における薬剤溶出性ステント留置後遅発性及び晩期血栓症の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景:薬剤溶出性ステント(DES)は,2004年8月より日本においても一般的に使用されるようになった.DESは,ステント再狭窄に対する予防効果が認められている一方で,慢性期にステント血栓症を起こすことが報告されている.方法と結果:当院で2004年6月から2007年6月にDESを留置した1,573症例のうち,6ヶ月以上経過し,遅発性及び晩期ステント血栓症により急性心筋梗塞を起こした4症例について検討した.4症例の平均年齢は72.8±8歳で,男性は3症例(75%)であった.リスクファクターとしては,高血圧が3例,糖尿病が3例,喫煙が3例,高脂血症が2例であり,病変部位としては,LADが3例,LCXが1例であった.4症例の平均DES留置期間は17.5ヶ月で,3例が消化管出血や術前であるという事由で抗血小板薬を中止していた.結論:DES留置例では,抗血小板療法中止に際しては,ヘパリンの使用が必要であり,致死的な出血でない限り,抗血小板薬の継続が望ましいと考えられた.
- 徳島赤十字病院の論文
- 2008-03-01
徳島赤十字病院 | 論文
- 野球選手の上方関節唇損傷に対する各種徒手テストの有効性
- 当院における子宮頚部初期病変CINⅢの取り扱い
- 当科における卵巣嚢腫の腹腔鏡下手術の検討
- 腹腔鏡下手術における合併症の検討
- 重症心不全に対するβ遮断薬(カルベジロール)至適投与の指標について