当院における単孔式腹腔鏡下手術の導入
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概要
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単孔式腹腔鏡下手術は従来の腹腔鏡下手術と比較してより低侵襲であり,美容的にも優れているという利点から急速に普及しつつある.当院では2010年2月から単孔式腹腔鏡下手術を導入し2010年10月までに5症例を経験したので報告する.直径10cm 以下の卵巣1腫で癒着剥離などの操作を必要としないと考えられた症例や不妊症に対する腹腔内観察を対象とした.手術は臍部を2.5cm 縦切開し,SILSTM ポートを用いて気腹法にて施行した.スコープは5mm径の軟性鏡,鉗子はロティキュレーター鉗子と従来の鉗子を使用した.熱エネルギーデバイスはリガシュア(5mm,Blunttip)を用いた.対象疾患の内訳は漿液性胞腺腫2例(1例は有茎性漿膜下筋腫合併),皮様1腫2例(1例はチョコレート1胞合併),子宮内膜症1例であった.臍からは容易に腹腔内に到達でき,ポート挿入は肥満患者においても難なく施行できた.術中操作は鉗子同士の干渉や可動制限が生じ,手術時間は延長する傾向にあった.症例を選択すれば合併症も無く安全に手術が遂行できると考えられた.ただし,初心者が執刀できる腹腔鏡下手術の症例数は減少すること,コストがかかることが今後の課題と思われる.
- 2011-03-25
著者
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