科学技術の世紀と医学
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概要
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1)アルブレヒト・デューラーはその版画「メレンコリア I」によって「自然と人為」という対立概念を描いた。この対立概念はルネッサンスにおける西欧普遍主義の主要なモメントであり,自然科学発展の駆動力になった。「メレンコリア I」は17世紀以降の科学技術時代を予言したものと云える。2) 現代文明は自然科学と技術による自然のエクスプロイテーション(開発,あるいは搾取)の結果である。3) 自然科学は非価値世界の営みである。その進歩は人間の欲望を満たし続け,我らの精神世界への意識を希薄にするであろう。4) 自然科学によって支えられた医学は人間の死と和解することは困難である。5) 医療行為が"Mitleiden (compassion)"をその原点とするならば,医学の進歩主義を制御する機構は,信仰や戒律や,民族の自然観を含めた,我われの自我を形作っている多様な文化力でなければならない。
- 2012-08-01
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