桜島アミダ川流域における噴火活動の衰退に伴う植生回復および火山灰堆積の状況
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概要
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本論では、桜島アミダ川流域で実施した調査結果に基づき、噴火活動の衰退に伴う植生回復状況、火山灰堆積の状況およびその土壌・土質と物理特性について検討した。得られた結果は次の通りである。(1)木本植生の個体密度および蓄積量は、噴火活動および火山灰の影響が小さくなるほど増加する傾向にある。(2)南岳火口から約2.5-3.5kmの範囲で比較すると、噴火活動が活発な期間(1972-1993年)における年平均での火山灰層厚の平均値は、穏やかな期間(1994-2005年)におけるそれの約3.0-6.0倍(平均4.6倍)である。(3)南岳火口から約2.5-3.5kmの範囲で比較すると、噴火活動が活発な期間(1972-1993年)における火山灰層の乾燥密度は1.30-1.45g/cm3(平均1.37g/cm3)、穏やかな期間(1994-2005年)におけるそれは1.24-1.33g/cm3(平均1.27g/cm3)であり、活動が穏やかな時期における火山灰層の空隙率が大きい。(4)南岳火口から約2.5-3.5kmの範囲で比較すると、噴火活動が活発な期間(1972-1993年)における火山灰層の中央粒径は0.14-0.23mm(平均0.18mm)、穏やかな期間(1994-2005年)におけるそれは0.12-0.20mm(平均0.15mm)であり、活動が穏やかな時期の方が小さい。
- 鹿児島大学農学部演習林の論文
- 2006-12-00
鹿児島大学農学部演習林 | 論文
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