哺乳類精子の生理作用に及ぼす漢方薬の影響
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概要
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本研究では,哺乳動物精子を体外培養する場合,漢方薬の添加がどのような影響を及ぼすのかについて実験を行った。まず,PBSに市販の漢方薬(小半夏加茯苓湯・補中益気湯・黄耆建中湯・人参養栄湯及び生薬を配合されたMix1・2・3(冬虫夏草:芍薬:桂皮:当帰:黄耆:甘草=3:2:2:2:2:1))を添加した培地を作製した。対象動物として,中国・成都在来ヤギ及びウシの精子を用いて,生存率,運動性,受精率及び受精後の胚の発生率に及ぼす影響について検討した。その結果,ヤギ精子においては体外培養開始後3時間で漢方薬を含む実験区の生存率は対照区よりも高い値を示した。また,ウシ精子においては,生存率,運動性,受精率及び胚の発生率において,漢方薬が有効に作用するという傾向が見られた。とくに,小半夏加茯苓湯と補中益気湯の効果が著しかった。これらの結果から,ほ乳ある種の漢方薬は,動物精子の体外受精率を向上させる効果のあることが推察された。
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