【消化器疾患のマイクロRNA発現と調節】 炎症性腸疾患におけるマイクロRNA発現異常の現況を知る
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概要
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雑誌掲載版炎症性腸疾患(IBD)においては、複数のマイクロRNA(miRNA)の発現異常が関係していると考えられる。miR-192は潰瘍性大腸炎で発現が低下しており、MIP-2αの発現調節を通して炎症の制御に関係していると考えられる。一方、miR-16やmiR-21は発現が増加しており、サイトカイン分泌の制御などを通して病態に関係していると推測される。また、自然免疫の制御に重要なmiR-146、miR-155、miR-223や獲得免疫制御に重要なmiR-142、miR-181a、miR-150などのmiRNAにも注目していく必要がある。miR-146はTLR-NF-κB経路を阻害し、IL-8やRANTESの分泌を抑制する。miR-155はTNF-αの発現を誘導する作用をもつ。miR-142、miR-181a、miR-150はT細胞の分化に重要であることが明らかにされている。実際には、これらの多数のmiRNAが複雑に関連しあってIBDの病態に関与していると考えられる。
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