教育老年学の構想--エイジングと生涯学習
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概要
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本論文は、欧米で出されてきた教育老年学に関する理論や議論を、筆者の構想する教育老年学の枠組みのもとに整理・咀嚼しなおし、そこで示された論点を、実証的な調査研究の俎上に乗せ、生涯学習論への示唆を得ようとしたものである。理論研究では、とくにエイジング概念の社会性の問題とポジティヴな含意の問題、および高齢者の特性を活かした学習援助論の論点を示した。これらを受けた実証研究では、「エイジング・プロセス」の研究で、大学生と高齢者に対するエイジング・エイジズム・人生の予定表への意識調査の結果を示し、年齢層によって異なったエイジング意識があることを示した。「エイジングと学習能力・行動の関連」の研究では、高齢期に低下しにくい学習能力の存在、学習スタイルが年齢層によってタイプ分けされることを示した。「高齢者の学習成立条件」の研究では、老後の人間関係再構築が老人大学受講の大きな要因であることなどが示された。After a reexamination of the issues and problems on educational gerontology in the US and Europe, the auther proposes a new framework of educational gerontology. From the theoretical perspectives, social nature and positive aspects of aging were discussed. Issues of educational interventions for the elderly were also discussed. From the empirical research perspectives, three sets of questionnaire surveys were conducted. Surveys on aging, agism, timetable of life showed the unique nature of aging conceived by the elderly. Surveys on learning ability/activity showed the unique patterns of learning ability of the elderly and unique patterns of learning styles of adults. Surveys on elderly education showed the reconstruction of human relationships of the elderly is a signficant factor on learning of the elderly.
- 大阪大学大学院人間科学研究科の論文
- 2001-00-00
著者
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