汀線付近転石域に出現するマダイ稚魚のなわばりと摂食生態
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概要
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愛媛県南宇和郡愛南町室手湾に於いて、2003年5月末から10月まで、汀線付近転石域に出現するマダイ稚魚がなわばりを有するか否かについて調査した。マダイ稚魚には底層遊泳型個体、中層遊泳型個体、群がり形成個体の3型が観察され、微生息場所、摂食行動、定住性に関しての差異が認められた。底層遊泳型個体には定住性が見られ、その行動圏内を同種及び他種から防衛する排他行動が観察された。行動圏内で頻繁に摂食行動も認められ、汀線付近転石域に生息する底層遊泳型個体のマダイ稚魚は、行動圏内に採食なわばりを有することが明らかとなった。これらの知見は、今後マダイの人工種苗放流を陸上から簡便に行う方法の開発につながる。
- 2011-03-15