レーザー内視鏡と臨床
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
雑誌掲載版イヌの正常胃に照射すると,変化はくさび状に粘膜下層にまで及び,その部に潰瘍を形成するが,普通には,3〜4週で治癒する.その際,照射距離3 cmで,先端出力45 Wの場合には,3秒8回でも穿孔は起らないが,連続24秒照射では穿孔が認められた.実験的粘膜出血に対して完全止血までの照射時間は平均7.4秒であり,動脈出血に対しては,径1 mm前後であれば止血可能であった.次に臨床的出血症例18例に使用し15例で止血を得たが,2例では露出血管(径2 mm)のため,また,巨大潰瘍の1例では照射による穿孔の懸念から,結局手術に至った.またストレス潰瘍やオスラー病における多発性出血は良い適応となった.太い血管からの出血時にも,例えば高張ナトリウム,エピネフリン局注の併用により効果を挙げ得ることがある.胃ポリープに対して,高周波による内視鏡的切除が行ない難い山田の2型のものに対しても,次記胃癌の場合と同様な方式で,照射日数は1日で足りた.出血性大腸ポリープにも奏効したが,共にポリープの組織学的検査が出来なくなるという欠点がある.隆起性早期胃癌6例(すべて腺管腺癌)に対しては,3〜5 cm,出力40〜50 Wで2〜3秒照射し,1度の照射回数は4〜10回として7〜10日間隔で施行し,全例経過良好であった.その他,摘出した胃石や胆石に照射した成績から見て,将来その臨床的応用の可能性も示唆されたこと,また難治性胃潰瘍に対し,その周堤や底部に照射して新しい治癒機転を生ぜしめる方策等について述べた.なお,昭和55年度日本消化器内視鏡学会のシンポジウムにおける他の演者の見解にも触れている
著者
関連論文
- 胃・十二指腸潰瘍に対する抗不安薬(Alprazolam), 抗潰瘍薬 (Gefarnate) ならびにその併用療法の効果の比較 : 二重盲検法による検討
- IIF-17 頑固な肩凝りを主訴としたいわゆる自律神経失調症に「治肩背拘急方」が著効した一症例(家族・その他I)
- ID-15 中枢神経系の膵外分泌調節 : 延随迷走神経背側核へのTRH投与による膵液分泌増加(消化器III)
- ID-14 アポリポプロテインA-IVの中枢神経系を介する胃排出抑制作用(消化器III)
- ID-13 インターロイキン-1による胃排出抑制の発現機序 : nitric oxideとCCKの関与(消化器III)
- 急性胃粘膜病変に関する臨床的・基礎的研究
- 十二指腸原発 Zollinger-Ellison 症候群の1例
- レ-ザ- (上部消化管出血--保存的止血法のトピックス) -- (内視鏡を用いた止血法)
- C-7) 心身症, 神経症として取り扱われていた患者の誤診例の検討(精神神経疾患)
- ストレス潰瘍に関する実験的および臨床的研究(第5報)(消化器の心身症)(一般演題抄録・質疑応答(A, B))(第15回日本精神身体医学会総会)
- 5. 小児の消化管出血に対する内視鏡検査の意義(第 3 回小児内視鏡研究会)
- 内視鏡レーザコアグュレータ : Nd : YAGレーザの基礎的・臨床的検討
- 精神的ストレスによる小児の腎および十二指腸の急性潰瘍性変化 : 最近の症例を中心に : 第25回日本心身医学会総会一般演題質疑応答
- 精神的ストレスによる小児の胃および十二指腸の急性潰瘍性変化 : 最近の症例を中心に(消化器 II)
- AI-26. 人工肛門患者の心身医学的考察(絶食療法・バイオフィードバック)(第19回日本心身医学会総会抄録・質疑応答)
- 病態子供の消化性潰瘍
- 北海道における腸型ベ-チエット病の検討
- 血管閉塞による虚血性腸病変の実験的および臨床的研究
- 超音波検査が発見の契機となつた腹部サルコイドーシスの1例
- 実験的ストレス潰瘍に対するCS-386の抑制効果
- レーザー内視鏡と臨床
- タイトル無し
- 早期胃癌の現況とレーザー治療
- 〔急性胃粘膜病変(AGML)とその周辺〕薬剤および飲食物による急性胃粘膜病変