稻の形質と遺傳 : I. 畸型形質と遺傳
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概要
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1. The authors give, in the present report, the descriptions of various abnormal mutant types of rice, which have been found by several Japanese breeders during these 30 years. 2. On the experimental results obtained by the authors during 1926-1935, the mode of inheritance of those mutant characters is discussed briefly. Special attentions were given to the linkage relation of the characters, as well as the F1 sterility of the intervarietal hybrid of Jap o nica and Indica.著者等は20年前に稻の實驗遺傳學的研究を當育種學教室の最も車要なる仕事の1として採擇して以來今日に至る迄全員をあげて之に從事して來た。着手當初の第一目的は當時明にされた栽培稻中の2群, 日本型と印度型との雜種の後代にあらはれる不稔現象の本質の究明にあつたとも云へるが, 問題はもとよりしかく限定された誰ではなく, 常に突然變異物の發見, 各種形質の遺傳樣式と聯關因子群との究明と探求, 各種不稔現象の發見とその解繹等にも相當な努力が拂はれた。其の結果或期間には一方に主力が注がれて他方が自から閑却される樣な事も己むを得なく, 一二の限定された問題について見る時は甚だ綾漫なる進展をしか示さなかつたが, その間に又當初思ひ及ばなかつた方面に發展の素地を見掛した事もあつた。この期間中に實驗し得た成績の中にはやゝ纏めて發表されたものもあるが, 多くはその未完成な爲に, 或はその時々の興味の深淺の關係から, 未發表のまゝ筐底に藏されて來た。しかし最近に至つて今後の仕事の繼續上古い結果の大要を見易く整理して置く事の必要を痛感し又それが他の研究者にも多少とも參考とならふと思ふので, その手初めにこの題を揮んで調査原簿から拔萃的に多少のことを書くことLした。それも茲では全期に亙る暇はゆるされなかつたので, 最初の10年間に交配された雜種のF2世代の記録, 即ち2586年―2595年のF2調査簿から丈けの拔萃に止めた。以後10ヶ年の結果については機を得て書く心算である。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1943-07-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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