攀纒植物の機巧に就いて
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概要
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In this paper, we present a following theory on th e growth of the plants twinning along the supporting rod. "A Twinning plant has a special propensity for climbing the support, regardless to its thickness, with a definite curvature." The formula obtained is h^2/4πr = constant = ρ Where h is the pitch of the spiral, r the radius of the support. The theory was confirmed experimentally with following plants. (snip)攀纒植物の研究は至つて古く, DARWIN の "Endonom" と考ふる説を初めとして GRADMANN の新機械觀に至る迄その文獻枚擧に遑がない。その中主たるものを掲ぐるときは先づ三つに分別される : (1) 本質的と考ふるもの : (2) 外界の刺戟 (Irritabilitat) に因ると考ふるもの : (3) 幾何學的, 力學的に因るものとするもの : その中にも半ば本質的, 半ば刺戟と考ふる説もある。本質的と考ふるものにも種々ある。攀縁するのを本質と考ふるもの, 又更に細く考へて向日性, 反向日性, 向側地性, を必要と考ふるもの。又力學的に考へる方では重力のために斯くの如き現象が現はるるとするもの, 生長の速度が兩側に於て異つて居るとするもの等である。GRADMANN はこれを更に機械的, 解析的に考へて説明の可能なることを述ぺて居る。單なる刺戟によるにあらざることは多くの實驗によつても云へるし, 更に後に説く著者等の實驗によりても云へる。向日, 反向地性に對しても, 暗室に於ては攀ぢす, 水平以下に傾いても撃ちる植物がある事柄からして, 非常にに困難なことがある。然し以上の論を通じて見らるぺき事は議論の多くが定性的で定量的でなく, 假令實驗に於ては時に多少定量的なものがない事はないがそれを綜合する理論といふものがない。現在に至る迄唱へられた諸讀の是非, 批評は他日詳細に發表することにして今は簡單に著者等がある考への下に行ひたる實驗とその結果とを申し述べる事にする。
- 九州帝國大學農學部の論文
- 1927-04-00
九州帝國大學農學部 | 論文
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